2017年1月13日金曜日

森津太子先生の面接授業「対人認知と自己認知」を受けてきた

1月7日(土)・8日(日)、放送大学東京多摩学習センターにて、社会心理学の森津太子先生の面接授業を受けてきました。
タイトルは、「対人認知と自己認知」
教材は、アメリカの心理学者、ニコラスエブリー「人の心は読めるか?」です。
昨年、同じ多摩学習センターで面接授業を受けた際には、自宅から2時間以上かかることもあり、近隣のホテルに宿泊したんですが、今回は日帰りにしました。
(せっかく向こうに行くので、そちらに住んでいる方を飲みに誘ったのですが、用事があるとのことであり、今回は断念して、日帰りしました。)
面接授業は定員を上回っていると抽選になるのですが、期初の申し込みの段階では、抽選に漏れました。
その後、追加募集で定員50名が100名に変更になり、再度の申し込みで受講できることになりました。
土日に仕事のイベントが入ることが多いため、それを踏まえて厳選して3つ申込んだのですが、1つしか抽選に引っかからず焦りましたが、受講できることになり助かりました。




社会心理学は、誰の生活にも非常に関わりがある学問です。
私が仕事で関わっている人事労務に関して言えば、組織心理学、産業心理学、女性活躍推進という意味では男性、女性のステレオタイプに関するバイアスなども関連してきます。
他にも、今はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が非常に盛んですし、既存のメディア(テレビや新聞・雑誌)自体が、SNSを無視できない状況になっています。
そして、そのようなコミュニケーションツールが盛んということは、皆が他者との関わりに重きをおいている、というふうに考えられると思います。




課題となった本は、一般書でとても読みやすいのですが、社会心理学の先行研究についての学術論文や、書籍についても脚注に記載されており、とても良い本だと思いました。
授業のスタイルは輪読、原書購読。
本の章ごとの意味をグループワークで要約し、発表、それに対して講師が解説を加えていくというものです。
昨年受講した「意思決定の心理学」で使用した、ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」は上下巻あり、非常にボリュームのある書籍であったため、2日間、8限の受講では最後まで終了することはできませんでした。
そのため、今回は多少薄めの書籍にしたようですが、今回も社会心理学の先行研究や実験について触れられているため、解説にも結構時間を要しました。
最後の方の章は少し駆け足となり、ギリギリで終了ということに相成りました。


購入したのはKindle版。タップするだけで脚注に飛べて便利だから。



本の内容は、章ごとの目次で見ると、ざっとこのようになっています。


はじめに 「第六感」とは何か
   人はみなマインドリーディングをする
   心の視力を上げる
   第六感はすばらしい

 第1部 間違いだらけの「読心術」
第1章 第六感を過信しない
   鏡よ、鏡
   洞察力という幻想
第2章 まずは自分の心を知る
   汝自らを知らず
   心の住みか
   ありのままの世界は目に見えない
   フェル先生、なぜだかあなたが嫌いです
   脳は無意識でフル回転
   脳は勝手に話を作る
   私は正しくて、君は間違っている

 第2部 それに「心」はあるのか?
第3章 相手の「心」を見る
   第六感が眠るとき
   物理的な距離と心理的な距離
   第一のトリガー──相手の心を知覚する
   第二のトリガー──相手の心を推測する
   自分以外はみんな頭が鈍い
   心が読めれば賢くなれる
第4章 モノの「心」を見る
   犬に心はあるのか?
   人間に似ているモノ
   心があると思えば納得がいくモノ
   自分の心と結びついているモノ
   モノを擬人化するのは愚かなことか?

 第3部 相手は何を考えている?
第5章 自分を基準に考えない
   人は生まれながらにして自己中心的
   首の問題
   あなたの貢献度は思っているほど大きくない
   あなたは思っているほど注目されていない
   あなたの失敗はそんなに注目されていない
   レンズの問題
   自分のレンズは自分だけのもの
   玄人こそ騙される
   メールに書いたことは五割しか伝わらない
   他人の目を通して見ても無駄
第6章 ステレオタイプを味方につける
   人間の脳はとっさに平均値を算出する
   ステレオタイプのウソとホント
   情報が少ないと脳も間違える
   定義にとらわれるな
   ステレオタイプは「理由」を教えてくれない
第7章 相手の行動から本心を読まない
   自分の目を過信するな
   相手のおかれた状況を知る
   こうすれば賢い解決策が見つかる
   なぜ人は見て見ぬふりをするのか

 第4部 どうすれば他人の目で見ることができるのか?
第8章 読唇術の達人になる
   噓をつくと顔に出る?
   「人の身になって考えろ」が逆効果になるとき
   相手に聞けば早い
   本心を確実に引き出すには
   自分を隠すな
   おわりに 第六感とともに生きるには


心理学を学んでいる、と言うと、「人の心を読めるの?」と言われることもありますが、結局のところ、人の心は読めません。
この本も最終的には、「本人に聞け」と言っています。
いかに人の心を知るか、というのが心理学のテーマでもあると思うのですが、その結論に、思わず笑ってしまいました。
本のレビューも、「思わず笑ってしまった」と書かれていた人が他にもいて、結構面白かったです。
いくらかっこつけても、それがいちばん大事なことなのだから仕方ないですね。
また、実際に大事なことは、相手と、本心を話しやすい環境を作っていくことなんですね。


今回、面接授業の雰囲気は非常に和やかで、グループでの討議発表も個性的な方がいたり、楽しい発言などもあり、本当に受けてよかったです。
2日間同じ方と隣の席で、グループワークも一緒だったのですが、彼女も、また森先生の授業を受けたいとおっしゃっていました。


私も、多摩学習センターは自宅からは少し遠いけれど、森先生の社会心理学の講義をまた受けたいと思いました。

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